ここ数年、経済やお金に関する書籍を読む頻度が増えました。年を重ねてからというもの、将来の金銭的な不安を考えることもしばしばあるため、こうした本はいい勉強になると感じています。友人達もまた私と同じような考えを持っており、お薦めの書籍を紹介いただくこともあります。昨晩観た映画は、そんな最近の私に打ってつけの作品だったように感じます。それはアメリカに住む二人のおばあさん達が国の経済に不安を抱いたことをきっかけに起こした行動を追ったドキュメンタリーでした。この映画のすごいところは彼女達の行動力だと思います。疑問や懸念していることを言葉に出し体当たりでぶつかってゆくところに好感を抱きつつ、羨望の眼差しで作品を鑑賞したのでした。「経済成長イコール消費すること」という概念を持つ人々が多い中で、「それは違う」と感じたことが大きなきっかけとなり、大学や金融街など様々なところに繰り出し意見を発してゆきます。その行動は上手く受け入れてもらえず四苦八苦しつつも、ネガティブさの微塵もなく突き進んでゆく姿に圧巻されたのでした。そしてラストに映し出された場面では、諦めずに少しずつでも前に進むことで得るものがあることを気付かせてくれました。
「経済が豊かになることが人の幸せか」と尋ねられたら「ノー」と答えるかもしれません。お金も大切ですが家族や大切な友達、共に切磋琢磨しながら支え合って生きてゆける誰かがいることが本当の心の豊かさに繋がると思うからです。この映画はアメリカ社会を学びながら、豊かさとは何かを考えるきっかけを得ることができる深みのある作品だと感じました。
8月7