知らないからこそ読めるもの

知らないからこそ読めるもの

先日、知人の娘さんがバレーを頑張っているのだという話を聞きました。こう書けばすぐに、バレーボールのことだとわかるでしょう。しかし実際は「それって踊るやつ?」「違う、ボール打つやつ」という会話がされています。発音が同じだからです。ちなみに別の知り合いの子供さんは、踊る方を楽しんでいるのだとか。こちらの場合は「リボンがね……」と言っていたので、すぐにバレエのことだとわかりました。
音が同じで書き文字が似ているというものはなかなかありませんが、ひらがなで書くと同じ表現なのに、違う意味を表すものは、わりとたくさんありますよね。たとえば橋と箸や、医師と意志などです。これは漢字を使えばいいですけれど、ひらがなだったら、文脈で判断するしかないでしょう。
このようなことがありますから、案外、児童書を読むのは大変なんですよね。いつだったか知り合いの子供が持っていた本を読ませてもらった時は、漢字が少なかったために難儀しました。あの時は、小さい子がすらすら読めるのは、漢字を知らないからなのだろうなと実感したものです。その子たちも、いつかは今の私と同じように感じるのでしょう。どうしてこんなに音の重なる言葉があるのか、調べてみたら、奥が深いのかもしれません。

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