不慣れな漢字は芸術の域

不慣れな漢字は芸術の域

先日、親戚一家と出かけた時のことです。そこにあったホワイトボードに、親戚の子供が嬉しそうに駆けていきました。「僕、自分の名前、漢字で書けるよ」と言うのです。彼は小学一年生なので、習っていない漢字を書けるということが、自慢だったのでしょう。周囲の大人が「書いてみて」と言うと、彼はマジックを手に持ち、背伸びをしながらボードいっぱいに、漢字を書きました。ただその書き順が面白かったのですよ。下から上、右から左と、正しいものとはまるで違います。私はそれを見た時、まるでアートだな、と感じました。
だって私達大人からしたら、線は上から下へ、左から右へと書くものです。それが文字というものだと、少なくとも私は思っています。しかし彼は、漢字の完成体のみを認識しているから、まるで絵をかくように、自由に描いていくのですよね。
他の大人は笑っていましたが、私にとっては目から鱗でしたし、その感性は素晴らしいと思いました。きっと、今後学校で習っていくうちに、こんなことはなくなっていくのでしょう。ただ心のどこかに、この自由な発想が残ってほしいとは思います。なんといっても、そう簡単にまねできることではありませんし、私は羨ましいと思いましたからね。

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