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創意工夫と自由を持った女は無敵です

創意工夫と自由を持った女は無敵です

一冊の本を読み終えた時に味わう、何とも格別な気分は病みつきになるものです。私は今日、女性小説家が書いた随筆を完読しました。人を愛すること、小説を書くこと、着物を楽しむことを生涯おこなってきた作家のエッセイは、生きる力と人生を謳歌することが存分に詰め込まれていました。このエッセイは着物について書かれたものです。そのため現代社会で生きる私にとって今までかなり敷居が高かった装いを、とても身近に感じることができたように思います。
正直言うと帯を買うだけで何十万もするという感覚を持っているためか、いつか着てみたいけどなかなか装う機会がないと半ば諦めておりました。この書籍を読み終えた今、そんな気持ちが少し薄らいだような気がします。なぜならばこの本の作者が、オリジナリティを持って自分の頑張れる範囲で楽しむおしゃれのたしなみを教えてくれたからです。お金をかけなくても、今手元にあるもので工夫して創意することが大切だということを知ったのでした。それは頭では分かっていてもなかなか実践できず、消費の渦に飲まれ続けていたことを改めて知りました。着物だけではなく、洋服だって創意工夫は大切です。今ある洋服を自由自在にコーディネートしてファッションを楽しむことが出来たら、生活はもっと開けてゆくように思います。こうした心意気がいつしか新しい可能性を見出してゆくのではないでしょうか。そんなことを改めて考えさせられたエッセイを読むことができたことは、私にとって宝物だと感じております。おしゃれを楽しむ創意工夫と自由さと軽やかさを胸に、明日からの暮らしが少しずついい方向に変わってゆけばいいと思っています。

卵料理あれこれ

卵料理あれこれ

卵料理。それは和洋中で用いられており、ふんわり軽やかなスクランブルエッグ、かきたま汁など、挙げたらきりがありません。
先日読んでいた料理の本には、多種多様な卵料理が載っておりました。この書籍は職業も年齢もバラバラな女性達の朝御飯について書かれた作品でした。数多くの卵焼きが登場しており、味付けは家庭により異なっていました。しょうゆやみそやだしを使ったもの、お砂糖を入れた甘いものまで、その家庭ならではの味付けはどれも美味しそうでした。同時に幼い頃から噛みしめてきた母の味を代々受け継いてゆくことを知り、感慨深さを感じたのでした。
さて、私の潜在意識から消すことができない卵料理と言えば、今から十年以上前に観たミュージカル映画に登場した目玉焼きです。田舎町から都会に出てきた女の子がファッションの仕事に携わるフランス映画で、インテリアもお洋服もすべてがキュートな、まさにおしゃれ映画の代名詞と言ったところでしょうか。中でもミニのワンピースを着て、踊りながらフライパン片手に作るシーンは格別におしゃれに感じたのでした。普通の目玉焼きなのですが、可愛いおしゃれ女子が作ると、とても美しいものの見えてくるものです。あれ以来、時折無性に目玉焼きを食べたくなることがあり、お台所であの映画を思い出しながら作ることもしばしばです。そんな時、私もあんな風に素敵なインテリアに囲まれたお部屋で、フライパン片手に小唄を口ずさみたいと強い妄想に駆られるのでした。