Monthly Archives: 10月 2015

失いたくない日本の音

失いたくない日本の音

「さらさら」という言葉を聞いて、次に続くものはなんでしょう。私は「舞う」「流れる」を想像しました。風にのって砂が舞う様子、ゆったりとした小川を、水が流れる様子です。「さらさらの」とすれば、後ろの来るのが「髪」や「布」でも使えますね。
どれも全く違うものなのに、ひとつの単語からこんなにたくさんのものを思い浮かべることができるなんて、日本語は不思議なものです。外国の方からみると、どうやら我が国の言葉は難しいらしいですね。母国語として日常使いしている私には難易度がいまいちわかりませんが、これも文化の違いということなのでしょう。私たちが苦労して英語を学ぶのと一緒です。
私が日本文化の中でとりわけ美しいと思うのは、音を愛することです。音楽ではなく音。夏の風鈴に、秋の虫の声。風が葉を揺らし、波がさざめく。自然が生み出す美しい調べ。歌を歌えなくても楽器を演奏できなくても、耳にすることができるものばかりです。
昔はこれを、文化などと考えませんでした。でも外国の方に、それはただの雑音だよと言われて、日本独自のものだと知ったのです。夜遅くまで多くの店が営業し、日々喧騒の中で生活をしているとしても、けして失いたくはないものだと思います。

素敵なジェネレーションギャップ

素敵なジェネレーションギャップ

インターネットを介して友達ができました。しかしそうとは言っても、私は彼女たちの本名も住んでいる場所も知りません。最近やっとお互いの年齢について話したのですが、驚きましたよ。二十代から四十代と、多岐にわたっていたからです。悩みごとの相談をし、一緒に冗談を言う間柄で、顔を合わせたことはないけれど、関係は誰もが対等でした。その中では、それこそ一回り以上も年の違う人達がいたのです。
現実社会では、どうしても同世代が集まります。その方が話題もあうし、気持ち的に楽だからです。実際の数字を知らないとしても、外見から判断もしますよね。でも相手の見えないネットだからこそ、こんなことがあるのです。広い可能性がとても素敵。もちろん、年を公開しても、関係は今まで通り。くだらないことで笑いあい、互いの愚痴を聞いたりしています。
そうそう、お互いに一番好きな本の紹介もしたんですよ。これはさすがにバラバラで、自分には縁がなかった話についても知ることができて面白かったです。ジェネレーションギャップというと良い意味には聞こえませんが、こうして刺激し合う関係もあるんですよね。リアルでの知り合い同様、彼女たちも大切にしていきたいです。